がん患者等の就労問題と治療方法について
- 2021.03.15 | コラム
「がん患者等の就労問題と治療法について」
近年、労働環境の変化などにより脳・心臓疾患や精神疾患などを抱える従業員が増加していることや、医療技術の進歩によりこれまで予後不良とされてきた疾患の生存率が向上していることなどを背景に、治療をしながら仕事を続けることを希望する従業員のニーズが高くなってきています。特に近年、がん患者の方の就業継続の問題がクローズアップされています。
しかしながら疾患を抱える従業員に働く意欲や能力があっても、治療と仕事の両立を支援する環境が十分に整っておらず、就業を継続したり、休職後に復職することが困難な状況にあります。
治療と仕事の両立を推進していくためには、事業主、産業医・産業保健スタッフ、医療機関、労働者、行政のそれぞれの取組と相互の連携が必要ですが、そのうち事業主においては次のような取組が期待されます。
- 「従業員の疾患の早期発見・早期治療、重症化防止」、「理解のある職場風土の形成」、「時間単位の有給休暇制度や短時間勤務制度」、「柔軟な雇用管理」などの必要性について示されています。
- 「柔軟な勤務形態」、「休暇・休業制度等」、「制度を利用しやすい職場風土の醸成」、「情報提供」、「早期発見・重症化予防」
- 「がん患者との認識の共有」、「がん患者と主治医と産業保健スタッフ(産業医・保健師等)が連携した病状、配慮事項の共有」、「地域産業保健センターと連携した相談支援、人材育成の体制整備」、「従業員に対する研修の実施」
さて、がんについてですが生涯で罹患する割合は、男性62%・女性47%、がんで死亡する割合は27.9%となっています(国立がん研究センター、厚生労働省調べ)。
もし事業主や従業員の皆さんが、副鼻腔にがん(上顎洞がん:じょうがくどうがん)を罹患し、ドクターから「両目と鼻を切除しましょう」と言われたらどう答えますか?
- 先生のすすめる治療であれば、積極的に受けてみたい。
- 命と引き換えであれば、手術を受けざるを得ない。
- 可能であれば、手術以外の治療法も検討したい。
がん治療は、「診療ガイドライン」によって行われています。「診療ガイドライン」には具体的な治療方法が書かれており、その治療法は三大治療(手術・抗がん剤治療・放射線治療)と呼ばれ健康保険適用の治療となっています。ところが、日本には、健康保険の適用にならないが、三大治療法以外にも多くの治療法があります。上記、上顎洞がんの患者さんはそちらを選択して手術を回避することができました。
納得できる治療法を受けるには何が必要と思われますか?
それは、「情報」と「お金」です。がんにおける最先端の治療法や事前のお金の準備に興味のある方は、ケア・イノベーション事業協同組合までご連絡ください。
SOMPOひまわり生命株式会社 特命部長 緒林秀典