最低賃金改定と、「働く」ということ 塙 貴夫
- 2024.09.14 | コラム
この時期がやってまいりました。最低賃金の改定です。
今年は全国平均50円程度上がる予定で、過去最高の上げ幅となります。全国の改定状況は下記サイトをご覧ください。
地域別最低賃金の全国一覧 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
個人的には「最低賃金」という言葉はネガティブな印象なので「基準賃金」みたいな言葉のほうが良いような気がします。
それはさておき、これだけ最低賃金が上昇すると中小零細企業の経営者は頭を悩ます方も多いでしょう。
賃金が上がるのであれば、その分従業員に生産性を上げてもらいたいと経営者が考えることは自然だと思います。(もちろん経営者の経営努力も必須です)
私が経営者の方から受けた労務相談でこんな相談がありました。
「飼い犬の体調が悪いので今日はお休みします。有給休暇でお願いします」と従業員に言われた。その通りにしないといけないの?
動物ですから粗末に扱うことはもちろん許されませんが、当たり前のように言われたので経営者はガッカリし、
その従業員の賃金が50円以上も上がるとなるとダブルパンチです。
その他にも様々な労務相談を受けますが、ここ最近の日本人はホスピタリテイが欠如している人の割合が増加しているように思えます。
「働いてお金を稼ぐ。人の役に立つ」ではなく「いかに働かないで稼ぐか。まずは自分」という考えの日本人が多いです。その反面、外国人技能実習生の方々を見ると「働く」ということを
理解して実践していますので、多少の言葉の壁があるにしろ、経営者から見ればガッカリすることはないでしょう。
働き方改革やワークライフバランスは大切なことではありますが、意味を履き違えている日本人が増えていることに不安を感じる今日この頃であります。