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「育成就労」実質審議入りした  田添史郎

4月24日、「育成就労」法案が実質審議入りした。今まで、「技能実習制度」「特定技能制度」と似ても似つかぬ紛らわしい名称で二つの制度があった。しかし、一般の方達や外国人を受け入れている一部の企業、マスコミはこれらの制度の事を混同してしまっている人達が多い。そもそも我々管理団体は、技能実習生の勤務先を監督する立場であり受入れ企業と密接な関係を持つ役員の関与制限によって独立性・中立性を保っている。しましながら、制度をよく理解出来ていない受入れ企業の中には我々の事を、人材派遣会社と同じ様に感じ取っている経営者や担当者も少なくない。勿論、手前の立場をきちんと説明せずに実習生を採用して貰いたいが為に、下手に出ながらお願いをする管理団体も少なくない。非営利団体とは言えそれなりの数字を築かなければ運営が成り立たないからである。そのパワーバランスから、受入れ企業による実習生への不当な扱いや不正を指摘出来なくなる環境が出来上がって来る。審議中の新制度については小泉法相が「人権保護の観点から制度の姿を厳格に規律していく」と答弁。我々から言わせれば、実習生達の人権保護については充分に取り組んで来たわけで、その他の管理団体も殆どがその取り組みには一番気を使ってきた部分だと思う。しかしながら残念な事に一部のマスコミやライターなどが、一部の誰かの発言をさも自分で取材したかの様に記事を書き世間を惑わせている。

 

 

4月の末に今後25~30年で消滅する可能性がある自治体の数が744カ所あると分析したデータが発表された。この数字は全自治体の40%である。10年前に行われた調査より152自治体少なくはなっているがその数字は外国人の入国者が増えると見込んでの数字なので、実体としては少子化の基調は変わらないと考えられている。このまま人口減が続けば国の経済は基より社会保障の持続性が大きく損なわれる。30年後はすぐそこである。私は30年後この世にいる可能性は低いが、子供の世代やその次の世代の事を考えると末恐ろしい。冷静に考えれば、私達大人も30年掛けてじわじわと首を絞められるのだ。そこで頼りたいのが外国人労働者だと私は考える。彼らは日本で働き収入を得、納税する。その数が増えれば増える程税収が見込める筈である。少し前の話になるが、イギリスがEU離脱したのを覚えているだろうか?イギリスはそもそも移民が多い国ではあったがEU連合の中で自由に移動や就労、居住が出来ていた。しかしEU離脱と共に制限が出来てしまい、労働者や国境を越えて企業していた自営業者、専門技術者等が自由に往来出来なくなり、人手不足が深刻化した。それでは現在はどうなっているかと言えば、EU圏からの労働力の維持・確保が困難になった為、就学や就労を目的とした外国人の流入が増えてきている。

EU離脱以降の外国人の増加(イギリス:2023年6月)|労働政策研究・研修機構(JILPT)

EU離脱後のイギリスの労働者問題を見てみると現在の日本の人手不足に似たところがある。しかし、イギリスの移民による経済はウクライナからの避難民や香港からの移民が多い。しかしイギリスという国は第二次世界大戦後英連邦諸国に住む人は1948年の国籍法によりイギリスの市民権が与えられた為、イギリスへの移住が増えて税収拡大につながった経緯がある。その後EU加盟により外国人の流入はさらに加速した。先に述べたように今後の日本の人口減については大きな課題である。この問題は30年掛けても解決出来ないと思うのは私だけだろうか。少しそれて、熊本には台湾のTSMCがやって来た。その周辺はまさにバブルである。現地の求人を見ても食堂のパートに時給3000円。。。しかし、お金でつられた人達の言い訳は「お金じゃない!」だそう。2024年問題なんか問題ないです。しかし台湾からやって来たエンジニア達は良く働くそう。会社のTSMCの考え方はワールドワイドなので、「世界中どこかに昼間はあるだろう。」という考えなので24時間体制。さあ、日本人にそのマインドが通用するかな?

とにもかくにも、現在日本で起きている事を正面から受け止め、日本経済を今後支えて行くには日本人だけでは難しいという事を正しく理解し、外国人労働者を受け入れる為の心構えや知識、そしてその後起こるであろう人種差別についての問題も正しく理解出来る様にならなければならない。

 

 

今後更に厳しくなるであろう日本経済をみんなで支えよう。

 

日本の将来の為に!

 

田添史郎